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マイベストエピソード5話の余談

ぎけんさんのマイベストエピソード企画で、5話を選んで記事にした。

選ぼうとすると、あれもこれもと考えてしまうし、そのことは記事の最後に付け加えている。

 

選ぶのはたいへんなので、私が重要視したのは、おバカな(もしくはトチ狂ってる)エピソードを含めること。

レヴィアタン」、「ファンタジスタドール」はまさにそう。「まじこい」も、あえてベストエピソードに入れるかぁ?と自分にツッコミ入れつつ選んだ(苦笑)。

 

というのは、アタマおかしいと呼ばれるような作品が様になるのって、アニメやマンガの特徴の一つだと思うし、ましてや、億単位のお金をかけて「ヒー、バカでー(笑)」となる作品を発表して、しかもそれを受け容れる層がいるのがアニメの世界だし、そういう作品についてのやりとりも、懐深いなぁと思うから。

それに、こういう作品の愛おしさって、人間の大事な側面の一つだとも思う。

 

泣きの作品、たとえば「ましろ色シンフォニー」10話あたりも、ちらりと脳裏に浮かんだが、今回はアホ3作に、自分の好きな「ソラノヲト」「モーパイ」を加えて、5話を選んだ。

これ以上増やそうとすると、逆に発散して選べなくなる、と考えて、泣く泣く5話に押しとどめた。

 

他の皆様のマイベストエピソードも楽しく読んでおります。

 

マイベストエピソード、5話

ぎけんさんのマイベストエピソードへの参加記事。

http://unmake.blog133.fc2.com/blog-entry-406.html


コンセプトは「作品としてはベストに選ばないけど好きな話数」で、ルールは以下のようになっている。

・ 選ぶ話数は5~10個(最低5個、上限10個)
・ 1作品につき1話だけ
・ 順位はつけない
・ 自身のブログで更新OK(あとでぎけんさんのブログにコピペされる)
・ 画像の有無は問わない
・ 締め切りは8月末まで

Twitterやブログで盛んなベスト話数をこれまで書いたことがなかったので、参加を通じて私のアニメ観や好みを出せれば、と考えた次第。

私が自分で設定したルールは「2010年以降のアニメにおけるマイベストエピソード」。
2009年末にBDレコーダーを導入して、それまで視聴対象ではなかったBSやTOKYO MXを視聴対象にすることが可能になった。そこから大量視聴が軌道に乗ったため、このルールを設けた。
2006年あたりから深夜を中心にアニメを見ていたが、その頃はBD/DVDレコーダーを所有しておらず、1シーズンに地上波のアニメを5〜8本ほど見るくらい。U局やBSでの放送は、評判がいいものをDVDレンタルなどで見ていた。今とは視聴体制が違っていたため、あえて今回の選から除外した。

では早速いってみよう。


ソ・ラ・ノ・ヲ・ト:12話「蒼穹ニ響ケ」
脚本:吉野弘幸、絵コンテ・演出:神戸守作画監督:赤井俊文
【原作:Paradores、監督:神戸守、シリーズ構成・脚本:吉野弘幸、キャラ原案:岸田メル、キャラデザ・総作画監督:赤井俊文、セットデザイン:青木智由紀、プロップデザイン:北田勝彦、メカニックデザイン石垣純哉美術監督:甲斐政俊、音響監督:清水勝則、音楽:大島ミチル、制作:A-1 Pictures

BDレコーダーを導入して、最初に出会った驚くべき画面密度は、アニメノチカラ 第1作の、この作品だった。主人公を演じた金元寿子のメジャーデビュー作でもある(彼女はこの後「侵略!イカ娘」の主役で大ブレイクする)。

大戦争で荒廃した後の世界。幼少期にトランペットを吹く女性に憧れ、軍属でラッパを学ぶべく、辺境に配属される少女、カナタ。赴任先「時告げ砦」は女性5人ばかりの小さな部隊。そして、その砦に伝わる伝説。そこでカナタは穏やかに勤めに馴染み、街の人々にも好かれていく……
1話の風景が並々ならぬ美しさ。細かい軍服の描写や、陰影の美しさが持続したのが素晴らしかった。
やはり1話が印象的だし、8話のおしっこ回も演出に妙味があったけど。
私には最終話の12話が、やはり記憶に残る。

辺境の地らしく、敵国の人間を思わぬ形で保護することになる。言語の違う相手と何とか意思疎通を図りつつ、敵国の人間から聞く伝説と、こちら側の食い違いに気づく彼女たち。そこから考え得る事象を検討し終える前に、こちら側では相手に戦端が開かせる陰謀が動いており、砦の彼女たちは制圧されかける……といった終盤の落着点が12話。

話として印象的なのはむしろ11話かもしれないが、1話の導入で示されたこの地の伝説を、この五人の乙女が体現する形で首尾照応させてきたこと、これにより、ナウシカ以来のテーマ(大戦争後の荒廃した世界で生き延びる点も同じ)を着実に、しかし大仰さを取り除く形で絵に出来たのは、収穫だと思う。
遠近感を的確に設定しながら、戦を止めることを念頭に、でも同じ国の兵士を相手に撃たざるを得ない、哀しいタケミカヅチの進軍を描く中盤は、淡々と(というより挙動を正確に)描くだけなのに、ジリジリとした焦燥感を伴い、秀逸。そして、高知で停戦ラッパを吹いても止まらない時に、カナタがタケミカヅチの上に立って、幼い日に聞いた「あの曲」を吹くシーンの、無心の静けさ。「それで本当に戦が止まるか?」というツッコミをよそに、祈りとして作用する、朝日とともに。
神戸守監督は、自身の監督作でも、単話の演出でも、芯に静けさがあり、そこから空気感が立ち上がるのが特色。「カードキャプターさくら」や「苺ましまろ」の各話演出などはその典型だが、ここでも直接演出した1話、および11〜12話で味わえる。

シリーズ全体で細かい伏線が張られ、最後の一点に向かって結集する造りになっており、1話に戻ってみると、見え方が変わってくるタイプの作品。その割には脇が甘いなどと揶揄された作品でもあるが、"オレ強ぇぇ"が全盛期を迎える前の爛熟を、今味わい直すのも乙なもの。

また2010年に、1980年代から続くアニメのテーマ「戦う乙女」を、日常の中から立ち上げながらも、戦を食い止めるために死力を尽くす、というナウシカそのものの形で最後を飾った。
このテーマへの根本的なツッコミと、それをどうやって腑に落ちる形にするか、という作品は、その後はあまり現れてこないようにも見受けている。
2010年代も後半に至っている今、この作品は(ツッコミどころも含めて)再見されていいと思う。


真剣で私に恋しなさい!!:1話「真剣で私にかかってきなさい!!」
脚本:高山カツヒコ、絵コンテ・演出:元永慶太郎作画監督:竹上貴雄、杉本功
【原作:みなとそふと、監督:元永慶太郎、シリーズ構成・脚本:高山カツヒコ、キャラデザ・総作画監督渡辺真由美、アクション作画監督もりやまゆうじ、アミサキリョウコ、美術監督:伊藤弘音楽:中西亮輔、アニメ制作:ラルケ

アダルトゲーム原作、通称「まじこい」が、2011年秋アニメとして放送された。
見ようか迷いながらテレビに向かったら、1話の動画密度に引き込まれて、全話見てしまった。
原作のゲームではクライマックスの大戦を、冒頭に持ってくることで、最初からクライマックス感を狙ったのだろう。(ちなみに原作は未だにプレイしていない。)

もりやまゆうじらをアクション監督に迎えての、大人数による乱戦描写がとても秀逸。
キャラの紹介などはまったくないが、こいつらは一騎当千のサブキャラ、こいつは主人公で軍師だな、といったことは大体わかる塩梅。人物の上下関係(それは強さとも比例する)なども、戦いでのやりとりで何となく把握できる。
そして、引きの構図で陣の様子を把握させつつ、要所でのツワモノ同士の戦い。スピード感満載の剣戟、肉弾戦、狙撃が同時多発的に起きる。
やりとりはカラッとしていて、どこか笑いを誘う。2話以降の本編はエロくなるが、そこでも1話で設定されたカラッとした笑いが続き、安心して見ていられる。
(逆に、終盤のシリアスは、むしろもったいなかったかも。笑えるエロアニメのまま進んでいた方が、楽しかった。)

ちなみに元永慶太郎監督は、「マジェスティック・プリンス」でも大乱戦と、その中での大将同志の一騎打ちを凄まじい作画で見せてくれる(動画工房の作画力も素晴らしかった)。この作品の1話のような見事な手際が、後にTOHO Animation 第1作を飾ったことも記憶されていいと思う。


モーレツ宇宙海賊:5話「茉莉香、決意する」
脚本:佐藤竜雄、絵コンテ:西村聡、演出:近藤一英、作画監督:大河内忍
【監督・シリーズ構成:佐藤竜雄、アニメキャラ原案:あきまん、アニメキャラデザ・総作画監督:竹内浩志、メカニックデザイン河森正治、鷲尾直広、寺岡賢司鈴木雅久、宮崎真一、フロップデザイン:吉川美貴、美術監督:伊藤聖、美術設定:佐藤正浩、ロマン・トマ、ルガル・ヤン、ブリュネ・スタニスラス、音楽:Elements Garden上松範康、藤田惇平、藤巻仁)、アニメ制作:サテライト】

一連のラインナップでは一番有名な作品かな。
かなりいい作品であるので、あえて取り上げるか迷ったが、この5話のインパクトの大きさはやはり触れねばなるまいて。

2012年冬から春にかけて2クール26話放送された作品。原作は笹本祐一ラノベミニスカ宇宙海賊」。
序盤の1〜5話丸々使って、主人公の茉莉香が海賊船船長の後継者という選択肢を、自らの意志で選び取るまでが描かれる。3話までゆったりと彼女の状況を見せつつ、4〜5話のヨット部艦船実習(しかも部員はクセモノ揃い)が実戦に至ってしまう緊張感で、一気に世界を定めてきた。

4話でヨット部のメンバーが今回の航海を立案計画する、茉莉香は思うところあるものの、前に出ず、状況の中にとりあえずは溶け込む。実際の敵の遭遇に、茉莉香はフライトプランの変更を提案、情報戦・電子戦で対応しつつ戻れるように図る。しかし、敵の思わぬ物理攻撃に、ビビりかけるヨット部。そこを的確かつ素早く反応していく茉莉香は、ついに船内の主導権を握って、日光を利用した物理攻撃で敵を撃退する。
とにかく、隙のほとんどないSF設定をフル活用した運びが素晴らしい。電子制御に頼りがちな状況を逆手にとった敵の対応と、想定外の状況における茉莉香の機転。彼女が艦船を操ることに向いていることが実地に証明される運びの素晴らしさもさることながら。
船内で着座する位置が、細長い艦船内での上下関係に繋がっている中、咄嗟の判断で飛び出した茉莉香の一瞬の行動により、危機をすり抜ける空間構図の描写に、初回の視聴で驚嘆した。
宇宙では上下左右もなくなる、というのはよく聞くが、人が出て行って暮らすようになれば、惑星での暮らしに通じる相応の秩序も生まれる。そこを突き破り、機転と素早さで主導権を握る瞬間が、緻密な空間設計とSF設定を通じた4〜5話のドラマとして立ち上がってくる。
航海を終えて、親からの船と乗組員を継承することがごく自然に納得できるのも、この豊かなドラマ性ゆえ。
こんな傑作回は、滅多にあるものではない。

この後の海賊船稼業(ほとんど観光行事w)、王族との関わりなど、お約束を実に緻密なSF設定で楽しく見せてくれる。未見の方は、5話まではなんとしても見ていただきたい。ドンパチがほとんどないのに、爽快感さえあるこの話の終わりまでは。

ちなみに、敵への通信で船長が「バカめ!」と返すのは、「宇宙戦艦ヤマト」で沖田艦長による返信へのリスペクト。こういう小技も楽しい。


絶対防衛レヴィアタン:3話「絶対奥までイっちゃうもん!」
脚本:雑破業、絵コンテ:別所誠人、演出:池田重隆、作画監督:牛島勇二、服部憲知
【原作:グリー、監督:八谷賢一、シリーズ構成:井出安軌、キャラデザ:大隈孝晴、総作画監督:清丸悟、美術監督:小倉一男、音響監督:森田洋介、音楽:菊谷和樹、寺田志保、アニメ制作:GONZO

グリーで配信されていたソーシャルゲームを原作としたアニメ。2013年春アニメ。
ソシャゲアニメ化の例に洩れず、フリーダムな内容。
水と緑の惑星、アクアフォールに住む竜族の少女で、槍と水を操るレヴィアタンが主人公。
魔導士のお嬢様で火を操るバハムート、叔父の代わりに石炭配達の仕事をする竜族の少女ヨルムンガンドと仲良くなり、お喋りな妖精シロップとともに、惑星を守ることになっていく。
どちらかと言えば、民話や童話のような筋立てで話が進む。キャラデザも色っぽさよりはかわいさ優先。しかし、繰り返しによるコント的なギャグ、エッチなセリフを組み合わせて、GONZOアニメらしい、ゆるやかな楽しさが続く(最後の3話で、アクアフォールを守る、いわば本筋が前面に出てくる)。
早見沙織喜多村英梨竹達彩奈花澤香菜と当代の人気声優が揃い踏みする楽しさもあった。

3話は、作品の雰囲気がうまく定まってきたエピソード。
2話で泥にハマったバハムートを助けようと、ヨルムンガンドが得意の斧を掴まれと投げるが、掴めるわけもなく、斧だけ沈んだところからスタート。竜が現れ、妖精のシロップを通じて会話する。何やら呑み込んでしまい、調子が悪いので、三人でお腹に入って取ってきてくれ、と頼まれる。ヨルムンガンドとバハムートはどちらが行くかをなすりつけ合うが、レヴィアタンがあっさり応諾し、着いて行くことに。そして、腹の中での悪戦苦闘が始まるのであった……

竜の思念を翻訳するシロップが、冗談で誤訳(?)しまくるのが笑える(しつこさも芸のうちw)。
そして、でかい生き物の腹に入るといったら、のお約束が至る所で連発するが。
花澤香菜に「のどチンコ」、早見沙織に「すごくおっきいです」と言わせたり。竹達彩奈に「ベタベタ」と言わせたり。
ちょっとだけwエロいセリフ、あえて繰り返す古いギャグなど、小ネタ満載。このあたり、脚本の雑破業のセンスが遺憾なく発揮されている。

そして、ムダなく手堅い絵コンテと演出により、視聴者のツッコミを呼び込みつつも、まったりと着実に前進する勢いも失わない。
エロネタをエロく演出せず、かわいいままであっさりやるため、むしろ微笑ましい。それに、すぐに次のシーンに移っていける、そのタイミングがまた見事。
このふんわりした組み合わせにより、民話や童話のようなエピソードを軸に、笑いと微エロが楽しく続く、という方向性がくっきり浮かび上がった好エピソードとなった。
方向性が定まると、キャストも演出もノリがよくなり、好調が続く。

愛すべきバカバカしさは、アニメが一番得意とする表現の一つ。それが満ち溢れた本作のような作品は、愛さないわけにはいかない(というのはオレだけかw)。

それにしても。「反省」(と壁に右手を当ててうなだれる)は、若い子に通じてたんですかね?


ファンタジスタドール:7話「心ころころ?あわせてひとつ」
脚本:吉村清子、絵コンテ:小島正幸、演出:上田繁、重原克也、作画監督:森川侑紀、中森晃太郎、重原克也(メカ)
【原作:ファンタジスタドールプロジェクト(東宝、アンバーフィルムワークス、谷口悟朗)、監督:斎藤久、設定:遠野明里、構成協力:柿原優子、木村暢、キャラデザ原案:Anmi、アニメキャラデザ・総作画監督:加藤裕美、ユークリッドバイスデザイン:結城信輝、加藤裕美、美術監督池田繁美、音響監督:鶴岡陽太、音楽:高梨康治、クリエイティブプロデューサー:谷口悟朗、アニメ制作:フッズエンタテインメント、プロジェクト統括:アンバーフィルムワークス、十文字】

カードを使ってバトルというと、深夜枠ではWIXOSSが記憶に新しいが、本作はその少し前の2013年夏アニメ。
あの谷口悟朗がプロデュース、アニメの前日譚をSF小説ファンタジスタドール イヴ」として発売したことでも話題になった。
また、カードゲームとしての対戦や、ゲーム空間による現実との隔絶が起きない。カードからドールを召喚することにより、現実世界で直接的な攻撃を行う。もちろん、ドールは誰にも見える存在となる。マスターはドールの特徴をうまく使役して戦い、勝利すると相手のマスターのカードを奪える。
ただし、こうした設定と、「スクライド」の谷口悟朗が関わるカードバトル、というイメージとはまったく異なるのが本作の面白さ。中学生女子による、ゆるくふんわりとした話が楽しい。
とはいえ、楽しいには楽しいが、どこかヘン。そのヘンさがついに前面に出てきたのが、7話。

体育会系の強い刺客の出現により、主人公うずめには協力カードが提供される。五人のドール全員の協力で、これまでより強い攻撃ができるというのだが。
それを使うと、出てくるのは三角帽子だの、車輪だの、やかんだの、新体操の紐だので、何に使うかさっぱり。
協力の何たるかがわかる前に、再度刺客と遭遇。うずめはドールたちを召喚、そして協力カードを発動する。やはり、どうしていいかわからないドールたち。
その時、うずめの下半身は戦車に変貌(ここからヘン)。
本来は戦闘に加わらず使役する立場のうずめが、自ら突貫攻撃する!(ここはまぁわからないでもない)
ドールらは、そこから大砲を組み上げることに思い至り、三角帽子を与えられたドールのリーダー格、ささらは自ら砲弾になる(やはりヘン、なぜ砲弾になって怒らんのだw)。
そして、大砲を撃つことを応援するマスターのうずめは、ドラムロールで場を盛り上げる!(頭オカシイ)

シリーズ全体でどこか脱力したバトルが続くんだが、この7話では、熱いのにトチ狂ってる、という境地に至り、視聴者の爆笑を誘いまくった。
ヤクをキメたに違いないだの、頭にウジがわいたんだろうだのと喜ばれた脚本は、吉村清子
しかしこの運びは意味がある。通常のマスターは、ドールを使役するのに対して、あくまで友達として付き合ううずめ。彼女のドールへの思いが、自ら突貫することに繋がっているし、ドールはその思いに応えようとしたからこそ、砲弾になるのを厭わず、敵を一撃で打破する、という形。爆笑の裏には、シリーズ全体の構成を反映する強かさもあった。
絵コンテも、2回目の対戦で同じで構図を繰り返して、ドールたちの戦いがワンパターンになっているのに対して、うずめが突貫するシーンを起爆点に、ささらの砲弾特攻が様になるような構図。爆笑と緊張をうまく構成している。

付け加えると。
マスターがカードからドールを召喚する「アウェイキング」を行う際、ドールの本来の居場所(マニホールド空間)にクローゼットが立ち現れ、そこから衣服をまとって、人間の住む空間に現出する。
そのクローゼットの様子が、現在2期を放送中の「アクティヴレイド」で、第八機動強襲室メンバーがウィルウェアを装着するシーンとよく似ている。
どちらも谷口悟朗の関わる作品。未見で気になる方は、ぜひ。


以上の5本をもって、ベストエピソードとする。

正直に言うと、「境界線上のホライゾン」、「絶園のテンペスト」、「昭和元禄落語心中」、「蟲師」、「魔法少女まどか☆マギカ」、「のんのんびより」、「屍鬼」、「ちはやふる」、「これはゾンビですか?」、「エウレカセブンAO」などから1話を取り上げたい気持ちもあったが、特定の1話に絞りきれなかった。また、このあたりになると、作品全体をベストに推せるものが多いので、今回のコンセプトから少しズレることもある。
好調だった「妖狐×僕SS」は、特に終盤の11〜12話が非常に見事なイメージ作りと画面構成だったが、どちらかを選ぶのは無理だった。「となりの怪物くん」、「月刊少女野崎くん」なども実に楽しいエピソードが続き、やはり絞れなかった。
なので、このあたりは割愛した。
逆に、「デス・パレード」の11話を取り上げるか迷ったのだが、作品全体としてすごく好きなわけではないため、これも割愛した。

なお、2009年以前のアニメで、気になる話数を数本取り上げることも考えている。これは8月末の締め切りに間に合わない可能性が高いので、別途記事にするつもり。

仕切り直し

2015年秋アニメの感想を書くはずが、春から夏にかけて、結構他のことに手を取られて、出来ずにいた。

その間に2016年冬アニメどころか、春アニメが終わり、夏アニメも終盤が見えてきている。

 

ここで仕切り直しのため、ぎけんさんのマイベストエピソード企画にのって、記事をアップする。

これで少しは弾みをつけたいものだ(苦笑)。

 

2015年秋アニメ(1) 日常系アニメの進化

2015年秋アニメの日常系作品は、ゆるゆり さん☆ハイ(3期)、ご注文はうさぎですか??(2期)。
これに、年末の特番として放送された、WORKING!!! 最終回スペシャル、普通の女子高生が【ろこどる】やってみた OVAクリスマススペシャル、が加わる形。

これら4作、いずれも楽しめるもので、成功だったと思う。

ゆるゆり、3期目にして原点回帰


ゆるゆり3期は、1〜2期と監督、制作会社が交代した劇場版を引き継ぐもの。
1〜2期に見られた、過剰な"あかりいじり"を廃したのが最大の特徴。ゆるかったりガチだったりする百合関係の中で、あかりは唯一のゼロポイント、という立ち位置に戻した。
導入から中盤までは、これまでの人物関係という資産を大切にしながら、むしろそれまであまり見られなかったカップリングを、優しい画風で楽しく描く。終盤でやっと、生徒会メンバーやごらく部という原点に戻り、珍しくも殊勝な歳納京子で締める。
この卓抜な構成に加えて、小声の生徒会長をサイレントムービー仕立てで見せるなど、映像音響面での工夫も凝らされ、劇場版ゆるゆりで見せたやわらかい楽しさを大幅に拡張、実に魅力的な世界になった。

何より大きいのは、映像的な工夫が、劇場版での夏合宿を経て、より親密さを増したキャラの関係性の深化に費やされていたこと。表情の豊かさ、所作のかわいさを、存分に味わいながら、仲良くなったメンバーが、より互いを楽しもうとする様を見ることができた。
日常の所作にこそカロリーを食う作画を、というテーゼを、かなり忠実に守った作風だ。もしかすると、劇場版からスタートした、という蓄積が、大きかったのかもしれない。

こうしたチューニングで、より原作に沿った雰囲気になったのも、この3期の特徴。私は1〜2期のトリッキーな展開も好きだが(特に2期の終盤はすごかった)、原作の持つ人間関係への優しい視点をきっちり絵にしてきた本作は、シリーズを最高潮に持っていけた、とも思っている。

■ごちうさ、2期目の深化


ご注文はうさぎですか??(ごちうさ2期)もまた、1期で出てきた高校生四人と、中学生三人のチマメ隊が、より親密になっていく過程を、全編の背骨に据えていた。
1期で高校生同士、中学生同士は仲良くなっている。相互に七人が、学校や年齢差を超えて仲良くなる、というのは珍しいかもしれない。
その動きを加速する仕掛けのように、中盤でココアの姉、モカが襲来して、皆の心を鷲掴みにする勢いが楽しい。このことは、下宿生活を経て、ココアの変わらなかった部分と、変わっていく部分を示す、外部の目としても働く。渦中にいる人にはわかりにくい変化を、外からの目でそっと描くことで、すっとこどっこいなwココアが、おねえさん然としてきていることを、視聴者とともに確認する。

また、チマメ隊を通じて、高校生ってどんなだろうと想像する中学生も描かれる。卒業してどんな高校生活になるかを、親しくなっていく四人組を観察しながら。
こうした動きは、カフェのオーナーとしてチノ、少し大人びた言動をするチノが、ココアに対して年相応の感情を表す関係に変化することも促す。
最終話、チノがココアに対して、初めてちゃんと、身近な人間としての怒りをぶつける。
この時の、ココアの喜ぶ顔と、戸惑うチノ。頭がおかしいんじゃないかと思うくらい、甘く優しい関係を描いてきた本作にしかできない表現だ。

美しい画面構成と、緻密で適切な所作から、皆がより親密になっていく表情、空気感が伝わる。喫茶店ラビットハウスという枠はそのままに、より広く街ぐるみで親しい間柄になっていく。
変化を寿ぐ(ことほぐ)のは、2期の大事なテーマだったと見受けた。

■微妙に変わっていく日々だからこそ、それを受け容れる


肝心なのは、同じ状態が続くから安心して関係を継続できるのではなく、変化を感じながら、互いにそれを肯定して受け容れること。
もちろん、このことは、日常系というジャンルを押し上げた、けいおん!や、らき☆すたでも描かれてはいた。けいおん!は特に軽音楽部という部活を取り上げたため、学年が上がり、経験を重ねるにつれて生じる変化を、卒業というイベントに向けて細かく描く。それでも、何が好きで大切に思うかは変わらない、そこだけは外さない。多くの人々を惹きつけた所以だ。

ゆるゆり3期、ごちうさ2期は、節目としてのイベントよりも、学校や地域に根ざした関係の深化を描く。上質で美麗な作画と卓抜な日常所作を通じてさりげなく、それぞれの変化や戸惑いを肯定し合う姿が前面に出る。
近年の日常系アニメの集大成、とも言える内容と感じた。

日常系は物語性が希薄、と言われる。
しかし、いわゆる「大きな物語」がないことは、変化がなく、成長もないことを意味するわけではない。
中学高校、それぞれ3年間という限られた時間の中で、変わっていかざるを得ない若者という存在。若さとは速さであり、反応や変化が速く激しい。
そんな中で、変わらず胸に残るコトをどう描くか。

ゆるゆり3期、ごちうさ2期は「変化を受け容れること、だからこそむしろ変わらずにいられる関係」を描いた。卒業や学園祭という大きなイベントに頼ることなく。
これは大きな収穫だろう。

OVA 2本の、スペシャルなイベントと日常


WORKING!!!(!が3本で3期目)は2015年上半期に最終回を迎え、テレビシリーズの終わりとなった。
しかし、小鳥遊くんといなみちゃんの恋はどうなったのか、という最後のテーマは残されたまま。それを60分スペシャルで描いたOVA
相変わらずのコメディだが、小鳥遊くんの母や家族との関係や位置を再確認しつつ、いなみちゃんが相思相愛を本物にする過程を、アドベンチャーゲーム仕立てにする。しかし、艱難辛苦で試すというよりむしろ、いなみちゃんを応援するように背中を押す小鳥遊家姉妹たち。母というラスボスwに対峙せざるを得ない彼女を迎える姿勢の、おかしさと暖かさ。
3期の掉尾を飾るに相応しい好編で、テレビシリーズではお預けになった、本当の大団円を描いた。
3期すべて監督が違うシリーズとなったが、どの期もそれぞれ面白い、という珍しいシリーズになったのも、大きな特徴。

一方、ろこどる。高校生がたまたまろこどるになる機会を得て、それを自分らしく活かしていく好編だったが。
クリスマススペシャルでは、いつも引っ張ってくれる縁さんに、奈々子がクリスマスと誕生日を兼ねた楽しい時間を持てるよう動く。
テレビシリーズとは少し異なり、縁視点が減る分、百合的要素も後退する。しかし、そこは手練れのスタッフ達。奈々子の友人たちとの交流も含め、誰かが誰かを喜ばせようとするのがクリスマス、と言わんばかりの、楽しいやりとり。
ろこどるを初めて、まだ1年経っていない二人は、普通の生活ではなかなか得られない濃い体験を重ねてきたが、高校生としての楽しい体験こそが今大切なものであることもまた事実。アイドルものではありながら、日常に接地する描写をふんだんに用意することで、より親密な感情の動きがあり、見ている側との親密さも増すような運び。
クリスマススペシャルだからこそ、いつもの仕事ではないシーン。それは視聴者にとってのプレゼントでもあったはず。

どちらも、スペシャルな機会を捉える際に、日常に根ざすところが、面白い。
ゆるゆり3期やごちうさ2期とは逆の方向ではあるが、これらもまた、広い意味で日常系作品の深まり、進化につながっていると感じた。

2016年冬アニメは、日常系アニメがない、珍しいシーズンになる。その前に、豊かな花園を広げたような秋アニメだった、と思う。

2015年秋アニメのまとめ・目次

そろそろ2016年冬アニメ(2016年1〜3月)が終わる時期ですが、2015年秋アニメのまとめをまったくやっておらず、そこから始めます。

以下の項目立てで、秋アニメの感想を記していきます。
長くなりそうなので、テーマ別。テーマごとに取り上げる作品を並べてあります。
そして、テーマの選択は、自分が秋アニメを見ながら感じたこと。
まだ書き終えていないので、書いて投稿したら、この目次へリンクも貼っていきます。

なお、放映された全作品を見てはいません。深夜作品が中心。
夜や深夜でも、有力作品のハイキュー!! 2期、終わりのセラフ 2期などは未見。これらは1期を見損ねているので、見ていない形。
ほかに、蒼穹のファフナー 2期、鉄血のオルフェンズは録画を未消化のまま。
シュタゲ 別ルート回も見損ねています(録画せず)。
これらはいずれ見る機会があれば、ということにして、今は諦めています。

というわけで、各テーマの記事を上げたら、ここにもリンクを貼っていきましょう。

自己紹介代わりに

有村行人です。はじめまして。


Twitterでアニメの感想を書いてきましたが、オンタイム(いわゆるリアルタイム)視聴での反応ばかりを垂れ流すのにも飽きてきたので、ブログを作ることにしました。


2016年2月に、ぎけん @c_x さんの アウトライターズ・スタジオ・インタビュー を受けました。

私の分は第87回として掲載されています。

http://unmake.blog133.fc2.com/blog-entry-363.html


記事を書き始める前の自己紹介代わりに、リンクを記載しておきます。


ちなみに、アウトライターズ・スタジオ・インタビュー、を気軽に受けたのですが。

仕事で場合によってはライターと呼ばれることもあり(ただしよくあるライター稼業というより、仕事絡みのドキュメント担当がほとんど)、厳密にはアウトライターズ、ではないのかな。

ただ、アニメだのマンガだので原稿を書いてお金をもらっているわけではないので、この件に関しては表題通り、ということでご容赦いただきたく。


では、よろしくお願いいたしまする。